包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

お家撮影

波の音が聞こえるのどかな町に、ひっそりと佇む黒いお家が完成し、撮影が入るとの事で、装飾のお手伝いをさせていただく事になりました。


家主の想いと建築家のセンスと知識がぎゅうっと詰まった空間。
現場は横浜から少々離れたところにあるので、事前に見に行く事はできなかったのだけれど、一貫したコンセプトが感じられる空間は数枚の写真を見せられただけでも、ためらう事なくあれとこれとそれを準備しよう。っていとも簡単にアタマに浮かぶものです。


お家は平屋。縁側もある。
このご時世に平屋なんて、なんて贅沢なんだろう。
何しろシンプルでデザイン性に富んでいる。
蛇口などの細部に渡ってモダン。


静かにのんびりとした時間を過ごすのだろうなぁ。
外出先から戻ってきた時、食事をする時、ソファに身をゆだねる時、ふ、と視界に入ってくるものは心の潤いを与えてくれるものであって欲しい。
あくまでも「ふ、と視界に入る」というのがポイントで、がちゃがちゃと置かずに装飾したい。
そんな事を思いながら装飾したものを二つほどご紹介。


一輪挿し。
全体的に黒っぽいので、ミニコチョウランの抜けた白さも似合いますね。
一本だけをさりげなく。
ミニコチョウランにしたのは、花の大きさとテーブルのサイズのバランスから。
コチョウランだけで気品ある感じにしても良いけれど、今回は羽も添えて遊び心を。


こよなく愛するアガベ
以前も書いたけれど「姫吹上」という種類。
シュワっとした細い葉で半球を描き美しいフォルムです。
キッチンはメタリックな感じ。
姫吹上が似合う鉢だなぁ。と数年前に仕入れて植え替えたものなのですが、この鉢の色がカッパーって事で、更に他の鉢に植え替える事なくそのまんま使いました。
おかげで、みなさんに「カッコイイ」と褒められ、姫吹上も嬉しそうでした。
使えれば。と思って一応用意しておいたのですが、家主様からも気に入っていただいてそのままこのステキな空間の住民となる事が決定しました。
良かったね。元気でね!



このようなシンプルでモダンな作りの空間は、いわゆる「お花」をモリモリと飾るのではなく、さりげなく「ふ、と視界に入る」と言うのがポイントではないかと思うのです。
せっかくの空間を生かしつつ、心地よく。
撮影だから。と言ってモリモリと「お花」を持っていくべきか?というと、決してそんな事はないのです。
花をむやみに飾れば美しくなるものではありません。
花も空間もヒトも全てが調和する比率ってあるものです。


撮影が終わり食事に連れて行っていただいたのですが、海の近くとの事でプリップリの地魚のお刺身が美味しい事!
好きな植物をステキな空間に飾らせていただき、おまけに美味しい空気に美味しいお食事。
こんなにシアワセで良いのかしら。と思う一日。
明日からもがんばろう(*^^*)


包kurumiのホームページ

http://www.kurumi.jpn.com/