包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

セダム

アレンジメントの名脇役セダム」。
つぼみや葉はシルバーがかっていて落ち着いた雰囲気。
花が咲いても、どことなくスモーキーな色なので上品。
主役を引き立てるにはもってこい!の優れた花。


ところで「セダム」という名前についてなのですが・・・
セダム」っていうのは間違いではないのだけれど、実はセダムというのは植物学で言う「セダム属」の総称なんですよね。
つまりセダムにはたーっくさんの種類があるのです。


切り花で「セダム」という名前で流通しているのは写真の「オオベンケイソウ」がほとんど。
セダム」=「オオベンケイソウ」
という事になります。
切り花の世界で育った私は、おかげで数年間はこのオオベンケイソウだけを「セダム」と呼ぶのだと勘違いしていました。
他の種は切り花になり得るものが少なく(しっかりとした長い茎を持つ大型のものが少ないからでしょうか・・・?)、セダムの代表選手として総称を固有名詞として使っているのかもしれませんが、おかしな風習?ですね。


セダム属はとっても丈夫。
ベランダで放置したまま雨水だけで育っている我が家の鉢物のセダムがコチラ。2種同じ器に植わっています。


オオベンケイソウとはだいぶイメージが違いますが、同じセダムです。
背丈は伸びずに地面を覆い尽くすように育ちます。
一部がちぎれて、少しでも土のあるどこかへポロリと落ちたら、そこに根を張り増えて行くほどの驚きの生命力。
この強さを利用して屋上緑化などに使われる種類もあるようです。


それほど丈夫な植物という事ですね。
セダム多肉植物(肉厚の葉や茎を持ち、そこに水分を蓄えいる植物)の一種で、乾燥地帯でも生き抜けるようなメカニズムになっています。
むしろ、多湿には弱く腐ってしまいます。
そこで、悩むのが切り花セダムのオオベンケイソウの管理。


私の管理方法をご紹介。
仕入れた日に半日ほど水に浸けておいたら、5〜10mmくらい水を残し後は捨ててしまいます。
数日して水が完全に無くなったら花瓶を洗い、また5mm〜10mmの新しい水で管理。
この時、もし茎が腐っていたら腐った部分を切り、2〜3日水は入れずそのまま空の花瓶で管理して切り口を乾かします。
切り口を乾かすなんて他の切り花には言語道断ですが、セダムに限らず多肉植物に関しては自らが水分を蓄えていますので心配には及びません。
切り口が乾いたらまた5mm〜10mmの新しい水で管理。


水の温度が上がってしまうこの季節は特に、深めに水を入れた花瓶などに活けた日には茎がドロドロに腐ってしまいます。
水に浸かっていた部分全てが腐ります。
セダムにとって深水は拷問。
切り花なので、つい水に入れてしまいたくなりますが、2〜3日水に入れなくても問題ないのです。


ちょっと脇道に逸れますが・・・
水に関して。
これは全ての切り花に共通して言える事なのですが、使う水はカルキの入った水道水が好ましいです。
なぜなら、カルキの入った水の方が腐りにくいからなんですね。
可愛いさ余って浄水された水を使う方が多いのですが、浄水器を通さずカルキ入りの水をお使いください。
人間にとって美味しい水が植物にも美味しいとは限りません。


一枚目の写真のセダムがまだ1本残ってます(^^;)
仕入れをした日から約一か月。
見ごろを過ぎたとはいえ、まだ元気です♪
もしかしたら、水など必要ないのでは?とも思うのですが怖くてやった事がありません(^^;)
いつか実験してみようかな。

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