包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

仏花(フューネラルフラワー)について思う事

暑いので久しぶりにアンスリュームの話題から。

アンスリュームはその独特でスタイリッシュな容姿が魅力的なのではありますが、もう一つの魅力は暑さに強いこと。
梅雨入り前から夏日だの真夏日だのの昨今、ありがたい花ですねぇ。


さて今日の品種は「エスメラルダ」。
グリーンのアンスリュームの中では、その名も「ミドリ」という品種が多く出回っていますが、「エスメラルダ」はミドリよりも色が薄めでお顔はやや面長で、上品な印象を与えてくれます。


アンスリュームは南国っぽい雰囲気にしたい時に活躍する事が多いですが、使いようによっては他の用途にだって行けます。
特にグリーン系や白系はそれほど主張が強くないので使いやすいですね。
この季節に清涼感も与えてくれます。









例えばこんな使い方とか・・・
タイトルにも書きましたが、実はこれは仏花です。
優しかったお父様の三回忌用に・・・と娘さんからのご依頼でお作りしたもの。


仏花というと、かしこまってしまう・・・というか構えてしまう方が多いように思われます。
確かに、しきたりだの宗教だのその地方の風習だのが絡んでくると、悩んでしまうかもしれませんよね。


ある方に仏花について、こんな風に教えてもらった事があります。
「人生色々。だから喪が明けた仏花は色々な色を使う」
確かに花屋さんや石屋さんで売られている仏花は色とりどり。


父が亡くなった時はたくさんの方から枕花(葬儀までの間、自宅で休んでいる故人の枕元に手向ける花)をいただきました。
菊の花ばかりの昔ながらのもの、洋花を使ったもの、真っ白なもの、淡い色を使ったもの・・・
喪は明けていませんが、それはそれは「色々」です。


それは、父の人生を物語っているようにも見えました。
父は色々な人に支えられて生きてきたのだなぁ。と花を眺めながらじみじみ思いました。
どの花にも贈ってくださった方のお気持ちがギュッと詰まっていて、父も恐縮しながらも喜んでいたと思うし、そして残された私達遺族はそのお気持ちに慰められたのを覚えています。
花は人に気持ちを伝えるチカラをもっているものなんだって事を強く強く感じたものです。



それからというもの、私の中で仏花に対する「人生色々」の解釈は発展して、色彩の「色々」だけでなく形状や花の内容も「色々」で良いのではないか?と思うようになりました。
きれいな花を見つけたら、あぁあの人(故人)に見せてあげよう。
その想いが大切だと思うのです。
ケースバイケースではありますが、基本的には故人が喜んでくれるものをお供えする事が一番だと思うのです。


想ってくれる人がいる。
それだけで故人は安心し嬉しいのではないでしょうか?
今回のご依頼主様の想いはお父様に伝わっていると思います。


ご依頼主様がご自身のブログで感想を書いてくださいました。
ありがとうございます_(._.)_

こころに平安を | 森紀子☆ビューティーコンサルタント☆



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