包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

哀愁漂う秋のハス


ハスの生育過程にはそれぞれ見どころがあります。
花も葉も実も観賞していて楽しいものです。


夏に咲かせる花は風情があって美しいけれど、切り花にすると開花させる事が難しいからか、大量には流通しません。
むしろ、秋であるこの季節の「実(花托)」の方がよく見かけるかもしれませんね。



ハスの実は元々キレイな緑色。
この緑色のハスの実も切り花でも出回りますが時期は短いです。
右の写真はその後の姿。
茶色くドライフラワーになっています。
こんなに茶色くなってからも、味のあるその姿に渋味が加わりワイルドでカッコよくなる。
ハスの歴史は一億年前にもさかのぼると言います。
こうした姿は化石を眺めている錯覚さえ覚え、神秘というかロマンのようなものを感じます。



ハスはスイレンと違って、水面からぐいっと茎が伸びて人丈ほどの高さになる品種も珍しくなく、高さを出したいデザインにも使えます。
ちょっと首をかしげている物があったり、直立不動のものがあったり、茎ごと使っても面白い表情が生まれてきます。



また実の形は個体によって様々。
大きいもの、小さいもの、いびつなもの、細長いもの・・・
このユニークな形に鑑賞価値があり、茎から切り取った実の部分だけもドライフラワーとして売られているくらいです。


グロい・・・と言う人もいますが、私はこの個性が好きです。
我が身は朽ちていくけれど、種をこぼし新たな生命を産み出していく。
ちょっと哀愁漂う、そんな姿は秋に相応しいなぁ。なんて思うのです。




過去のブログでハスの実について2回も触れているというのは、私はよっぽどハスの実が好きなのか?(^^;)
実りの季節の植物園 - 包日記
ハスの実 - 包日記


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