包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

美白という名のユリ


花市場でユリ類は、つぼみの状態で売られています。
どんなユリも開花直前になるまで、つぼみの色は緑色。
つぼみが膨らんで、そろそろ咲きます!という準備ができるとようやく色が出て来るといった感じ。
オリエンタルユリ(カサブランカなど香りが強め、大輪の華やか系ユリ)やスカシユリ(オリエンタル系より小振りで色も豊富)などは、つぼみの状態では「いったいこのユリは何色なの?」と首をひねってしまうユリも少なくありません。
どのユリも品種ごとに色が違うので、把握していないと「こんなはずじゃなかった・・・」という色を買ってしまうハメになるんですんね(^^;)
ユリの品種名を把握する事は重要です。
まぁユリの品種はおびただしい数があるんですけどね・・・(冷汗)






テッポウユリ(面長でラッパ状の白いユリ)のつぼみも例外になく緑。
開花直前になると、だいぶ白が濃くなってきますが、それでも薄い緑といった状態です。
この下の写真が白バラと一緒に写っているから、つぼみが緑であるのがわかりやすいかな。


これに比べて「美白」は、つぼみの色が明らかに白いです。
開花直前とはいえ、従来のテッポウユリのつぼみとは色が違う事が一目瞭然。実に白い!


テッポウユリはもともと純白に近い白さを持っているのですが「美白」は咲いたらもっと白いのか?と期待をしましたが、そこまで差を感じる事はありませんでした。
つぼみの時の方が大きな差が見て取れる。といった感じです。
差を述べるのであれば「透けるような白さ」「透明感」といった表現が近いかもしれません。
つぼみの時から花粉が何となく透けて見えるのは、そのせいかな?
美白(びはく)とは、色素沈着が少なく、かつ光の反射量が多い、明るい美しい肌のことをいう。主に顔の肌について用いられる。Wikipediaより)

これはもちろん「お肌」の美白についてを説明している訳だけれど、この内容はテッポウユリの「美白」にも共通して言える事かも?


もう一つ「美白」の特徴。
開花後の花保ちが従来のテッポウユリより良いです。
全開の状態でも、グワッと開くのではなく「もっと開くのでは?」と感じさせる控えめな咲き方。
暑苦しい咲き方ではなく楚々とした感じなので、野草との相性が良いと思います。
こういう咲き方だと、敢えて花粉を取らずに自然ぽくするのもステキかも。


そういえば。
ユリの花粉はどうやって取るの?
という質問があったので、書いておきますね。


ユリの花粉取り講座(笑)

指が入るくらいまで開いてきたら、間髪入れずにつまんで引っ張る。
ハサミなどは必要ありません。
むしろ花びらを傷つけてしまう事があるので、指でつまんで取る方が良いです。
花粉は見えているのだけど、指が入るほど開いてない・・・これから出かけるのにどうしよう?開くまでまってられないよ(>_<)
という状況の時はピンセットでつまんで取ります。
もちろん花びらにピンセットが触れないよう注意が必要です。
ユリの花びらは特に傷が目立ちやすく、グッと鑑賞価値が落ちてしまうので。
なぜ「間髪入れずに」かというと、咲いてから放置してしまうと花粉がポワポワになって飛散しやすくなってしまうからです。
花びらもつまむ指も花粉まみれになっちゃう(>_<)



・・・いつの間にか咲いてて、花粉がポワポワになってしまった!
そんな時はやはりピンセットを使って手を汚さないようにしましょう。
取ったは良いけど、花びらに花粉が付いてしまった!
そんな時は柔らかい筆やハケのようなもので掃うか、綿をピンセットでつまんで優しくポンポンと綿の繊維に絡ませて取る感じに。


ユリの花粉は肌や服についたりすると落ちにくいです。気を付けてくださいね〜
ちなみにユリの花粉は一つの花に対して6コあります。
私は取りこぼしが無いように、数えながら取ってます。


「美白」は夏限定の出荷だそうです。
この「美白」はお盆前に仕入れたもの。
今年はもう出ないかもしれませんね。


お盆が終わると花市場はガラリと秋の花に変わるのですが、今はまだ生産者さんが夏休みの方が多く、ガラっと変わるというより荷が少なくて花選びに頭を悩ます期間(^^;)
この期間を過ぎると、花市場はもう秋です。


包kurumiのホームページ
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【2014.08.22追記】
「美白」は今日の市場に出てました。
まだ買えるかもしれませんね( *゚∀゚* )