包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

つぼみが好きか、咲いた花が好きか。とか。


チューベローズという1本につらつらと複数の花をつける花があります。
咲いた一輪をじっくり見るととってもかわいい。
でも、実は私はあまりチューベローズを買う事がありません。


なせならば切り花のチューベローズは、ほぼつぼみの状態なのです。
それのどこがおかしいか?
・・・ですよね(笑)


咲いている花を「咲ききっている」と表現する方が時々いらっしゃいますが、それには疑問を感じる事があります。
この方はつぼみがお好きな方なのだと思います。
そういった方はきっとこの咲いたチューベローズを見てもやはり「咲ききっている」とおっしゃるかもしれません。


切り花のチューベローズは、なかなかつぼみを咲かせてくれません。
根から切り離され「切り花」となったチューベローズは、つぼみの大きさにもよりますが不発に終わる事が多々あります。
そう。咲かずにつぼみのまま終わってしまい、そのかわいらしい姿が見られないのは切ないですよね。


ところが、今回は既に咲いたものが市場に出ていたのです。
一枚目の写真は残り物で、咲いている良さそうなものから使ってしまったのでまばらにしか咲いていませんが、咲いたものはかなり上の方まで咲いていましたよ。
チューベローズは下から順番に上に向かって咲いていくので、上の方はさすがにまだつぼみですが・・・



チューベローズは咲いている期間もそこそこ長めです。
咲かないつぼみを眺めているくらいだったら、最初から咲いているものを眺めた方がよっぽど楽しいです。
しかも今回の色は、上品なピンクではありませんか。(通常はオフホワイトが多いです)
はっとする美しさです。
咲いていて、しかもピンクというレアな色であれば、ためらいもなく買いです。
なので私がチューベローズを使う事自体もレアなのです(笑)


今の季節で言うと、切り花のリンドウなどもチューベローズと同じで、ほぼつぼみのまま終わる花です。
リンドウのつぼみの事を咲いた状態だと勘違いする人もいるくらいです。
でもリンドウも最盛期を迎えると、ぱくっと咲いたものが出てきます。
これもまた、カワイイ。


花はつぼみが良い。
と思われがちですが、花は種類によって特性があります。
根から離れ、切り花になるとどうしても勢いがなくなり、開花に至る前に終わってしまう花も存在します。
もちろん、それらの多くはつぼみに鑑賞価値があるからなのですけどね。


私も全ての花において、咲いた状態のものが好きな訳ではありません。
つぼみがかわいかったのに、咲いたらかわいくなくなってしまった・・・と残念に思う花もあります。
まだこのブログでは紹介したことがありませんが、シキミアやアオモジなどは、咲くともっさりとしてしまいかわいくありません。
それはそれで、気の毒な花なのですが(^^;)


どこに美しさを感じるか?
それは好みの問題かもしれません。


でも、チューベローズは、やっぱり咲いている方がステキ。と私は思ってしまうのです。


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