包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

菊ではない菊


秋は素朴な野草がズラリと花市場に並びます。
もちろん、野草と言っても野山に自生しているものを伐採してきたものではなく、人間の手によって育てられたものではありますが。
それでも、やっぱり季節の草花は美しいです。


花の美しさに魅かれたのはもちろんですが、市場にいた時の気候のせいか、ここ数年使っていなかった花を突然使いたくなりました。
その花が、このダンギク。(ちょこっと写っている実はノバラの実でダンギクとは別物です)


花が段々になっている。
葉っぱが菊に似ている。


だから段菊(ダンギク)なんだとか。
そうなんですよ。ダンギクは「菊」と名乗りながら菊ではないって事。
葉っぱが菊に似ているから、菊ではないけど「菊」と呼ばれているのです。
むかしむかしの誰かがテキトーに名前をつけた(たぶん)ダンギクではありますが、素朴で趣がある花です。


こちらがダンギクの葉っぱ




花束を作った時や生け込みをした時に、不要な部分の枝や花を落としていきますので、残骸がたくさん手元に残ります。
今週使ったあちこちの残骸。
いつもなら、ちぐはぐな組み合わせになってしまうのだけれど、今回は集めてみたらそこは秋になりました。


季節の野草どうしって、どんな組み合わせをしても素敵になっちゃうのです。
大きなマムが一本だけ不自然に目立っていますが、それは余りものなのでご愛嬌。


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