包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

儚さと美しさ


私が美しいと思う花は、なぜかキンポウゲ科が多いんです。
キンポウゲ科だから好き。という訳ではなくて、単純に「あぁきれいだな」と思うものが、たまたまキンポウゲ科なんですよね。
例えば・・・
クリスマスローズクレマチス、ニゲラ、シュウメイギクオダマキ・・・などなど。


共通する点は
風が吹いたら散ってしまいそうな儚さ。
微妙な色合い。
といったところでしょうか。


写真の「レンゲショウマ」もキンポウゲ科
コロンとしたまあるいつぼみが、鈴みたい。
下をむいて咲く奥ゆかしさもたまらなく、風情があります。
そよ風にすら揺れる細い線で、風鈴の音色と共に楽しみたい花です。


暑くて花が保たない・・・

なんて話が、あいさつ代りになったりする昨今。
飾る場所の環境や管理にもよりますし、「長く楽しむ」の「長い」という漠然とした言葉は人によって感じ方が違いますが、確かに冬に比べたら同じ花でも楽しめる時間は短いですね。



そこで発想の転換です。
「どうせ保たないのなら、はかなげな花を飾っちゃおう!」という発想も面白いと思います。
はかなげ・・・とは花が咲いている時間が短かったり、楚々としていてか弱そうな草花など。


「暑さに強いと思って買った花なのに、意外に保たずがっかりした」という話をよく聞きます。
その花に期待し過ぎてしまうからなのですよね。
だったら
「保たなそうな花なんだけど、キレイだから買ってみたら意外に長く楽しめた」
と、好奇心旺盛な冒険家の方がおっしゃる通り、期待しないで楽しむ方がお得な気がします。
季節の草花などは、その時期の気候に適した植物なので意外に保ったりするものもあるんです。
そんな花と出会えたら、ラッキーですしね(*^^*)


世の中には、美しい花がたくさんあります。
暑さに強い花はごく少数で、いつも決まった花になってしまいがちです。
お約束の花ばかりではなく、美しいと思った花を気軽に楽しんでもらえたら、飾ってもらえた花も幸せだと思うのです。


花が美しく咲いている僅かな時間を共有する。
それは単純な喜びや楽しみでもありますが、その花の一生を自分自身に重ね合わせて考える時間にもなっている気がします。
ちょっと、大袈裟ですけどね(^^;)


包kurumiのホームページ
http://www.kurumi.jpn.com/