包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

日保ちする花。日保ちしない花。

切り花を一日でも長く楽しみたい。
そんな気持ち、分かります。


せっかくお金を出して買った花です。
そう思うのも当然だと思います。


気温がグングン上昇するこの季節には特によく聞く言葉でもあります。
「日保ちする花」


ラン類やアンスリュームなどの南国系の花はこの部類に入ると思います。
茎が固めでツルッとした質感の植物は、気温の上昇によるダメージから守る作りになっているからだと思います。
暑い国で育つ植物だからこそ、生き抜くために自らそのように進化してきたのでしょうね。


でも。
日保ちだけを考えて花を飾るのは少し寂しい気がします。
「この季節だから」「この季節ならでは」「この季節限定」を楽しみたいですよね。
桜の季節に花見をするのと同じです。


「日保ちしない花」
写真はアイリス。
アヤメ科の植物です。
市場で既に咲いている状態のものが売られていました。
アイリスは通常つぼみで売られています。
おそらく在庫品でしょう。
開花してしまっているアイリスは商品価値が下がります。
咲いてから3日もすれば花びらはヨロっとしてきますから。
(稀に1本に一輪のものもありますが、たいていのアイリスは次のつぼみが控えていますから、終わった花を取ってしまえば再び美しい姿で楽しめます)


でも。
この色合い。
ステキ!!!
うっとりして気付くと手に持っていました(笑)
もちろん、お客様には販売しませんよ。


たとえ数日でも、この凛とした美しさを感じたかった。
そして、こうしてブログに写真をアップすることで、少しでもこの私の感激を共有してくれる方がいれば、このアイリスも嬉しいだろうなぁ。
なんて思ったりして。
それに、こんなに綺麗なのにこのまま市場内で誰の目にも触れずに朽ち果てていくなんて耐えられない!
私のお家においで。という経緯です(^^;)
その数30本。
私の部屋はアイリス祭り!!(笑)


アヤメ科の植物は4月〜5月くらいが見頃です。
もう今年は市場にあまり出てこないでしょうから、これを逃しては来年まで会えないかも。


日保ちにとらわれて、美しく咲き誇る季節の花を見逃してしまったらもったいないですよね。


・・・ということで、いつもより写真を多めに♪



つぼみも数本ありました。このつぼみからどんな花が咲くのか想像するのが楽しいですよね。



芸術的な色と柄。



芸術的なグラデーション



凛とした姿



こんな色もあります♪



おまけ写真。
近所の公園で咲いていたシャガの花。(2013.03.30撮影)
こちらもアヤメ科なのでついでに。